THE BLACK CROWES amorica.
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ブラック・クロウズの94年作、「アモリカ」、入荷しました。
扇情的なジャケットのインパクトが、おそらく今後ロック史の中で語られ続けるであろうブラック・クロウズのサード・アルバムです。
70年代のハスラー誌の表紙を使用したらしいのですが、修正版のジャケットも存在するのも仕方ない事だと思います。
かなりの自信がなければ、こんなジャケット・アートを採択しないと思うのですが、当時の彼等はレトロ・ロック回帰の急先鋒として位置付けられていた事に多少の反発もあったのではないでしょうか。
全米No.1となった前作を含む過去2作を手掛けたプロデューサー、ジョージ・ドラクリアスと袂を分かち、バンドは初のセルフ・プロデュースを試みます。
興味深いのは、共同プロデューサーとして後にストーンズのエンジニアとして活躍するジャック・ジョセフ・プイグを起用している点です。
この人はJELLYFISH、HOLE、WEEZER等の仕事をしてきた人で、言わばモダンな音創りを得意としてきた人です。
ブラック・クロウズがストーンズやフェイセズのフォロワーと言われ続けてきたのは、よくよく考えてみればナンセンスな話で、彼等はブリティッシュのベテラン達が鳴らしてきた南部っぽい音を真似てきたのではなく、まさにアトランタ出身の血がそうさせてきただけだったのだと思います。
本作でも脈々と流れるその南部のDNAは、けっしてレトロ趣味ではなく、自然体としての骨格が露わになっています。
ロックが持つパワフルな高揚感、そしてそれに対する甘くせつない情緒を必要最低限の音で、これだけ力強く聴かせてくれるバンドだからこそ、このジャケットでなければいけない必然性があったという事なのだと思います。
英国のタメや湿り気、南部への憧れから生まれるロック愛、そういった素敵な要素を持ったイギリスの偉大なバンドが過去にも多く存在しますが、本作のタイトルが南部訛りのAMERICA、であるというのは実に象徴的な意味を持っているのではないでしょうか。