GENESIS SELLING ENGLAND BY THE POUND
全国のロック・ファンのみなさん、こんにちは。メタル、プログレ、ハード・ロック、クラシック・ロック専門中古CDオンライン・ショップ、Ken's Attic ケンズ・アティックです。
オリジナルは73年作、ジェネシスの通算5作目となったアルバム、「セリング・イングランド・バイ・ザ・ポンド 月影の騎士」、入荷しました。
ファンタジックなストーリー性と、英国的などんよりとしたメロディ、そしてピーター・ガブリエルのシアトリカルなパフォーマンスが個性となったライヴにより、同時代のプログレ勢とは違った魅力を確立した彼等が、バンド・サウンドをより充実させた事で一つ突き抜けた感がある作品です。
歌詞面のコンセプトよりも、美しいメロディとアレンジを主体とした雰囲気作りがかなり重要視されてきている感があり、特にトニー・バンクスのキーボードが本作の独特のほんわかした空気を決定づけています。
そんな新たなと魅力にポップなコーラスが加わった「I KNOW WHAT I LIKE」は、ガブリエル時代のジェネシスとしては唯一のシングル・ヒット曲となっています。
約10分に渡る牧歌的メロディが心地良い「FIRTH OF FIFTH」はバンクスが大活躍する佳曲となり、フィル・コリンズが静かに歌い上げる「MORE FOOL ME」を挟み、アルバム後半はいよいよクライマックスへと向かって盛り上がりを見せていきます。
各メンバーのテクニックの競い合いがプログレのスリリングな側面の特徴でしたが、ジェネシスの場合はスター・プレイヤー集団というよりは、バンド全体のアンサンブルをメロディによって紡ぎ上げていたのだと思います。
確実でしっとりとしたドラマ性を表現するには、ジェネシスのそういった方法論こそベストだったと思われ、本作も最後まで席を立つ事を許さない感動を持続させたまま終わっていきます。
隙のない構成と、練り上げられたメロディの構築は、次作によって更に研ぎ澄まされていくわけですが、ここでの完成度も見逃す事はできません。
実にイギリス的美しさを湛えたアルバムだと思います。
« STEELER STEELER | トップページ | BLACK 'N BLUE NASTY NASTY »
「音楽」カテゴリの記事
- WIG WAM WALL STREET(2021.01.19)
コメント