WIG WAM WALL STREET
全国のロック・ファンのみなさん、こんにちは。メタル、プログレ、ハード・ロック、クラシック・ロック専門中古CDオンライン・ショップ、Ken's Attic ケンズ・アティックです。
今ウィグ・ワムの2012年作、結果的には最終作となってしまった「ウォール・ストリート」、入荷しました。
正統派パワー・メタル・バンド、ARTCH、そしてノルウェーのWHITESNAKEとでも言うべきバンド、DREAM POLICEのメンバーにより結成されたこのWIG WAM、日本でも初期BON JOVI真っ青なポップ・メタルを天才的な手腕で作り出すセンスが注目されていました。
ノルウェーと言えば今やブラックメタルの産出国というイメージが強いわけですが、片や北欧メロディック・メタルを代表するTNTもいたわけで、ウィグ・ワムはその北欧的メロディ至上主義の最右翼であったはずです。
彼等のベタなキャラ作り、パーティー・ロック然とした曲作りは一過性のお遊びバンドというイメージが強かったのも事実で、実際残念な事に2014年に正式に解散をしてしまったようです。
本作は彼等の最終作となった通算4作目のアルバムで、内容を聴く限りもっともっと活動して欲しかったと思えるメロディ集となっています。
80年代ポップ・メタルの旨味をギュッと詰め込んで、更にそこに砂糖をまぶした様なアルバムをこれまでリリースしてきましたが、本作は少しシリアスな面も見せながらアダルトな味付けが施されているのが目立ちます。
そうは言っても持ち前の80'sマインドが失われたわけでななく、前述のボン・ジョヴィ風味はもちろん、DOKKEN、KISSのエッセンスは健在、むしろメロディアス・ハード色が強くなっているかもしれません。
パーティー・ロックの喧騒後、スーツを身にまとった彼等が見せてくれるダンディでセクシーなサウンドは、BON JOVIにいつまでも「SLIPPERY WHEN WET」や「NEW JERSEY」を求めてしまう80年代フリークにとっては地味に聴こえるかもしれません。
そもそもがコスチュームも含めメタルをマンガ的に演出する事が得意だった彼等も、いよいよ限界を感じていたのかもしれません。
ほん本作での地に足のついたメロディアス・ロックへのシフトは必然だったのか、あるいは解散前提で最後に等身大のバンドの魅力を打ち出したのか不明ですが、いずれにしても先天性のメロディ・メイカーぶりはやはりタダモノではなかった気がします。
本作では高揚感タップリのイケイケ路線だけではなく、引きの魅力がここではかなりアクセントになっていただけに解散が惜しまれます。
哀愁バラードの「TIDES WILL TURN」や、泣き節全開のインストとなった「THINGS MONEY CAN'T BUY」といったナンバーに、このバンドの新たな展開が垣間見れた気がしたのですが。